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Sorqadu - т​э​д​н​и​й​г г​э​т​э​л​г​э​х (sample)

by Jade Visions

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about

モンゴル人女流作編曲家兼歌手、ソルカドウの記念すべき拾作品目が發賣の運びとなつた。

アルタイ山脈周邊民族の間に傳はる喉歌の一種、ホブド(ホオミヰの起源とも言はれる)を西洋由來の電子音と聯立(決して融合などではない)させる手法を取り入れるようになつて以來六作目となる此のレコオドは、いよゝその獨自の文法が成熟期に差し掛かつてゐる事を克明に傳へてゐる。

うるさ方の中には、斯ういう西洋と東洋の仲合を藝術活動のテヱマに据え置くことに對し、中世〜近代を通じて文学、演劇、絵画のあらゆる分野に変奏されながら繰り返されてきた安易な手法の使ひ回しである、と大手を振つて誹謗する向きも散見するが、私は其の点に於いてかの如く彼女を安直に咎めることはできないと考へてゐる。

なぜならば彼女にとつて此のトポスは、大バツハを基点としてモオツアルトやベヱトオベンたちに分岐した神的始原児のイメヱジを東洋に媒介するために採り入れた表層的形式といふよりは寧ろ、その行き過ぎた意図的反復そのものこそがまさに彼女の烈しい生身の敏感さの中に潜めてゐる「自分でないもの」に対する攻擊を代行する役割を果たすための本體、イコオル、彼女を音樂家たら使むる理由そのものとして機能してゐるのだ、ということが此れ迄の伍作品から犇々と讀み取れてしまつたからである。

かつて東洋音樂が拾弐音階といふ西洋音樂の彼方に望んだ秩序のユウトピアの虚偽性に気づき、嫌悪し、無のユウトピアへ近接したという史実に適量の陰翳を與へる淡きスポツトライトのやうなこの作品に横溢する彼女の道化は、音樂の世界に於いて齷齪と生き延びてゐるが如く感ぜられる主としての自己を揶揄するために自ら生み出した反主人公であるのかも知れなゐ。

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released February 15, 2018

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Jade Visions

Jade Visionsは、世界のどこかにありそうな曲を創作した上で、架空のアーティスト、アルバムジャケット等を捏造し、どこかの誰かが言いそうなあるある音楽評論とアーティストコメントをライナーノーツとしてでっち上げるジョークレーベルです。

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