семь (Милана Левитана) - ORTHOGRAPHE : audio cassette release only (sample)

by Jade Visions

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	1.	Разность фаз (Raznost' faz) 02:48
	2.	Шаббат (Shabbat) 03:05
	3.	Разность фаз (Raznost' faz) spotlight music Remix
	4.	Шаббат (Shabbat) cлегка небольшой Remix

about

ロシアの有為多望な建築家で、若くしてストレルカ工科大学の教授も務める傍ら、ドラマー／ヴォーカリスト／作曲家としても活躍するミラナ・レヴィタナ。以前エレクトロポップ・バンドでヴォーカルを務め音楽活動を行っていたが、バンドから脱退。自己の音楽を追求するためソロプロジェクト、スェーミ(семь=seven、7の意)を立ち上げた。

ご存知の方も多いだろうが、彼女はスキャットに近い自由なアドリブ表現をヴォーカルで行う一方、ドラムにおいては一貫して過去のドラマーのパターンを精密にコピーすることだけに注力し、新しい表現を一切拒絶している。

「私の本業である建築になぞらえるならば──たとえばピロティという選択肢の場合、天井と壁に作用する風圧係数等を正確に把握し、然るべき信頼性のある素材選択と構造設計が必要となります。全ての支えとなる部分では冒険してはならないのです。リズム・セクションにおいても同様のことが言えると個人的には考えています。それがまさに私自身がドラムプレーにおいて新しい冒険をせず、過去の素晴らしい演奏を模倣する理由です。堅牢な基礎部があってはじめて遊びのある上部構造の息吹が生まれる──フランク・ロイド・ライトの「空間が流れている」という表現にも通底するものかもしれませんが──、そのように考えています。」

27歳の才媛は、誠に篤実に語ってくれた。

新プロジェクトを立ち上げた現在にもその哲学は色濃く受け継がれており、今回の新作は自身のアイドルであるマーク・ジュリアナの伝説的プレイを厳密に再現(中にはたった4小節を200テイク以上録ったものも！)したものとなっている。

「彼は私にとっての最高のアイドルです。一般的には、例えばChris MorrisseyのNorth Heroに参加した頃の演奏を例にミニマルで硬質なビート、と評されることもありますが、彼のプレイの本質は厳選した各キットから出される力強くて挑発的なそれぞれの音をなだらかに繫ぎとめてまとめ上げる能力だと思います。ちょうどタダオ・アンドウの建築の本質がそれぞれの素材のミニマルな使い方、ということ以上にそれら各々を繋ぐスロープの使い方にあるように。」

音楽家はとかく常に未知なるフォルムの発見、そして同じことを繰り返さない、ということに腐心しがちだが、彼女は後ろを向く事を厭わない。
強度を備えたクラシカルなパターンの集塊が各々の個性で瓦解してしまう、その一歩手前で統べる美しさ。「未知なる先へ行くこと」から「既知のあるべき処へ帰ること」への推力は、実に忠実に彼女の音に対する姿勢をなぞっている。
安定／変化を等価なものとしてより精密に遠景／近景にかかえ込むこのEPは、彼女の新たな変位に見合う貴重な刻印と見ねばなるまい。