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G​ö​ran Bergcrantz - 'Vortex' (sample)

by Jade Visions

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1.
Vortex 03:53

about

重心のしっかり据わったキレのあるクリアータッチのノイズが幾重にも連なって続いていく── エントロピー増大の自然律にまかせるほかない雑多な音の混淆にあっけらかんとダイブし、そのあるべき秩序を見出し滋味豊かなノイズスケープへと変貌させてしまうヨーラン・ベリクランツの新譜が到着。

テン年代初頭、凋落の体を露見させ始めていたコアノイズステップというジャンルを誰しもが智見しやすいスターダムな位置へと駆け上がらせる主導力にして主動力となった"強慾"とも称し得るその手腕は、ノイズミュージック界隈に潜む地下住人達に閑やかに見つめられ続けてきた男のその本分を弁える様子を実直に、克明に、相も変わらず描き続ける。

翻って、その渦中、好一対にふいと顔をのぞかせるポケットサイズの牧歌的メロディやコードの佇まいは、これまで氏の作品群が促し続けてきた重やかな聴取テンポにおいては浮上不可能なほど深層心理の層の綾の中で意識化されぬまま処理されていく、という点において寧ろ軽忽にさえ響く。

2010年代後期に作られたことになるこの作品はこうした軽さによってハーシュノイズ的な重さを批判しているものとして聴くことも可能であるが、もちろんハーシュノイズの記憶なしに読み解けば、単に”ポストインダストリアル的な記号の戯れ”としてのみ聴くことも出来るだろう。

前回インタビューの締め括りの言葉として彼が残した「底なし沼でいたい」という言葉が、"フロンティアに立たされ続ける事により一時的に囚われた軽い孤独感を些かユーモラスに誇張した修辞"などではなかったことは、ヴァイナル片面45回転19分30秒というその物理的収録限界時間の目盛り一杯に一曲だけ、という特異なアルバムリリース形態においてメタフォリカルに表象されている。

credits

released January 15, 2017

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Jade Visions

Jade Visionsは、世界のどこかにありそうな曲を創作した上で、架空のアーティスト、アルバムジャケット等を捏造し、どこかの誰かが言いそうなあるある音楽評論とアーティストコメントをライナーノーツとしてでっち上げるジョークレーベルです。

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