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Erki Anvelt - 'It snuck like that​.​' suite (sample)

by Jade Visions

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about

声も風貌も「あまりにもジョン・レノンに似ている」と、デビュー直後からその「外層」だけが音楽そのものを置き去りにして独り歩きする、という恰好を強いられ続け、その亡霊から逃れるようにインダストリアルパンクでの激しいパフォーマンスに執心し続けてきたエストニアのエルキ・アンヴェルトだが、デビュー8年目にして初めてその巨大なレイスと"真っ向から対峙した記録"とも形容できる60sテイスト溢れるニューシングルをリリースするに至った。

曰く、「本当はビートルズもジョンも好きでたまらないんだ。でも若い頃は"似ていることを売りにしてる"ように見られるのかどうしても嫌でね。『ジョン・レノンなんて人は知らない』っていう無理な素振りを続けて、"自分は自分だ"といつも無闇に気を張って神経質になってたんだけど──今考えるとそれは単なる臆病から来る逃避でしかなかったと思う。そんな自分を克服できた!っていうのはとても大きな出来事だったと言える。"It snuck like that (そいつはあんな風にコソコソしてた)"っていうタイトルはその喜びの皮肉めいた裏返しなんだ」

『他者の求める周囲願望としての自分像』と『自分が潜在的に追い求める自分像』というものが符合し過ぎてしまったが故に産み出された両価性は、現実の直視という営為を逃れさせるための仮面となり彼を覆い尽くした上で、表現者としてのほんのすこしの遠回りを要請したのかも知れない。

結局彼にとってのジョンは、いわゆる"他者"ではなく、彼自身に内在するあらゆる『傾向』の増幅、補強を担う魅力的イコンとして形象化されている自己の似姿の完成像≒自己完結性の仮象だったのだろう。それを十全な完結形の属性として引き受けていく覚悟が架橋を果たした先の新たな地点で彼が丁寧に拾い集めた音として我々がここで聴くことのできる全ては、いわば『表現するもの(者/物)と表現されるもの(者/物)が一致した詩』なのだ。

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released March 29, 2017

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Jade Visionsは、世界のどこかにありそうな曲を創作した上で、架空のアーティスト、アルバムジャケット等を捏造し、どこかの誰かが言いそうなあるある音楽評論とアーティストコメントをライナーノーツとしてでっち上げるジョークレーベルです。

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